原竹 純【JDDA理事兼事務局長】『オリジナリティー』 | |
今回もオリジナリティーのジャッジをさせてもらいました。 全体的にWEST大会はダンスが凄く上手で、様々なジャンルのダンスを披露してくれたので、楽しみながら審査をすることが出来ました。しかし、ダンスを中心としたチームが多かったので、個人的にはもっと色々なジャンパートリックやターナートリックを見たかったなぁと感じました。そんな中、今回オリジナリティーの最高得点をつけさせてもらったのは一般部門では「MUTANT」で、オープン部門では「Mythology」でした。 「MUTANT」は4年生や卒業生で構成されたチームということで、多彩なスピードステップを披露してくれていて素晴らしかったです。さらに、見せ方が凄く上手でした。「Mythology」は昨年同様、爆発的なアクロバットとスピードステップ、さらに、回っているロープをキャッチするだけでは無く、そこからアクロバットを駆使するなどで高得点を叩き出していました。 次に高得点をつけさせてもらったのは「Vent.E」と「Limit」でした。この2チームも多彩なアクロバットを取り入れるだけでは無く、アクロバットの入り方を工夫していて良かったです。 今回高得点をつけさせてもらったOPEN3チームはアクロバットが突出していましたが、アクロバットが得意で無いチームもスピードステップやロープトリック、技の組み合わせ方や新しい見せ方を工夫すれば高得点を稼ぐ事が可能となります。オリジナリティーの得点を上げるためには、自分達のチームは何が得意で何が苦手かを明確にし、苦手な分野に長時間をかけるのでは無く、得意な分野にフォーカスして、突き詰めて行くとそれがチームとしてのオリジナルになるかと思います。 先にも記載しましたが、WESTはダンスが非常に上手なので、もし、ターナーも踊りながらロープを回すことが可能となれば、さらにダブルダッチにも幅が増え、もう一つ上のパフォーマンスとしてのダブルダッチになるのかなと思いました。難しいかと思いますが、今後ぜひチャレンジしてみてください。選手の皆さん、本当にお疲れ様でした! |
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HKR【alttype】『技術力』 | |
WESTは全体的にミスがとても多かったです。ミスのないパフォーマンスをしているチームがほとんどいませんでした。これは、技術が演技に追いついていない結果だと思います。見せ場の1シーンやつなぎの1シーンを「感覚」ではなくしっかりとした「根拠」を理解して通せているか。日頃からこれを意識していればミスの数は必ず減ります。自分達のスキルに見合った演技でミスをなくすことが入賞への鍵となります。 全体的にハリーステップやスピードでのミスが目立ちました。最後でミスしてしまうチームは本当にもったいないです。演技する上で自分たちの最高のパフォーマンスが出来るBPMの曲を使えているかどうか。そのBPMだからこそできるネタをしっかり作って欲しいです。今回遅めのハリーステップが多かったのですが、内容は守っているところが多く、あまり見映えしなかったです。BPMが速い曲でのスピードステップやスピードはリスクがある分通った時はハイリターンなので、狙っていくのもアリだと思います。 フォーメーションチェンジや曲のつなぎの部分でロープを完全に止めてしまっているチームが多くありました。リリースや音の編集など、工夫をしてしっかりターニングしながら見せることができれば他のチームとは違った雰囲気を見せることができると思います。あとは、ターニング・ジャンプ・アクロバットスキルの未熟さが目立ちました。チームや個人でしっかり基礎から練習して欲しいです。基礎スキルが向上すれば、リスクの高い技も演技に取り入れて尚かつミスの少ないパフォーマンスをすることができると思います。 印象に残っているのは「Mythology」「SWAGGER」「Altavista」です。自分たちのチームの持っている技術力を見極め、しっかりとパフォーマンスしていたと思います。 JAPAN出場権を獲得したチームはしっかりとチームと向き合い、自分たちが持てる最上のパフォーマンスをしてNY行きをキメて下さい。 |
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タロー【Fat man Crew】『構成力』 | |
今の現役生は素直にダブルダッチが上手いなと思いました。数年前では思いつかないような技や例え思いついても習得出来るとは思えなかった技が現代のダブルダッチシーンでは当たり前のように取り入れられています。相当な努力と練習があったのだと思います。 ですが、技にとらわれ過ぎてか見ている人に対するパフォーマンスの意識が薄かったチームが多かったです。皆が同じ大会に出場し、見ているものが同じなので良いと思った技は大半の人が良いと思っています。そうなれば多くのチームが自身のパフォー マンスにも取り入れ、多少やっていることは違えど、内容は大体同じような技ばかりになってきます。どんなに凄い技であっても3チーム程同じことをしていれば見飽きてしまうし、言い過ぎかもしれませんが、今の時代その技はもう当たり前のレベルになってしまったのだと思います。 ただ、同じ技でも見せ方ひとつで見え方は大きく変わります。今大会はパフォーマンスをする場なので、構成を考える際は 常に見てくれている人がいることを意識してください。難しいことやこだわりがあっても伝わらなかったらもったいないです。他のチームも取り入れてきそうな技であれば被らないような見せ方を考え、その技がさらに凄いと思われるような構成で演出してください。 演出や新しい技のヒントはダブルダッチ以外の場所から得られることもあります。もっと視野を広げてどんどん新しいパフォーマンスを考えていってもらえばなと思います。 あとチームカラーをテーマで終わらせているチームが多いなと感じました。チームのメンバーと同じ人はこの世にいないのでメンバーの個性をテーマの中にしっかり落とし込み生かしてください。実際テーマや構成上この人はやらされているんだろうなって感じることが何度かありました。テーマと個性が合わさってチームカラーになるんじゃないかと僕は思います。パフォーマンスで各メンバーが一番栄える様な見せ場を作ってあげてください。このメンバーだからこそ出来るパフォーマンスだなと感じられたチームはやはり上位のチームに多かったです。特に『Mythology』は新しい技やその技の出すタイミングも上手かったですが、各メンバーが自分を発揮できる見せ 場がしっかり作れていたのでパフォーマンスを見ていて気持ちよかったです。 ダブルダッチはチームプレーが強いスポーツです。もっとメンバーのことを知って自分らにしか出来ないパフォーマンスを作ってください。 |
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DAICHI【ME$ER】『完成度』 | |
毎回のことと思いますが、やはりミスが多いチームが目立ちました。あまりにもミスが多いと、見ている人には何も伝えることが出来ません。自分達が伝えたいモノをしっかり伝えて、そこで勝負できなければ、いままで積み重ねてきた練習の意味が無くなってしまいます。大会を通して、個人的に大切にしてほしいと思ったことは、以下の4項目です。 1.立て直しをスムーズに行えるかどうか。 これは、しっかりとした練習量がなければまずできないと思います。咄嗟の出来事に対して冷静に対処できるだけの余裕が持てているかどうか、パフォーマンスを把握できているかどうか。パフォーマンスとしての完成度、熟練度の高さをうかがわせるだけでなく、立て直しがスムーズに行えていれば、1つのミスが大きなマイナスにつながることはなくなると思います。 2.振りを合わせるのであれば、しっかりと振りを合わせることができているか。 ジャンパーが行っている振りが完成度の高いモノだとしても、周りで合わせている振りが雑であったり、タイミングが合ってなかったりしたら、パフォーマンスとしての完成度は、高いとは評価できません。 3.余裕を持ってパフォーマンスをすることができているか。 より完成されているパフォーマンスであれば、ジャンパーもターナーも周りで合わせている人も、全員が落ち着き、堂々と正面を向くことができると思いました。つねに縄を見続け、下ばかり向いていたら、跳ぶことに必死になっていることが伝わってきてしまいます。 4.1つ1つの技の完成度が高いか否か。 縄の中での振りが中途半端だったり、アクロバットの質が低ければ、それだけで完成度が高い印象は持つことが出来ません。練習不足であれば、もっと練習すべきだし、自分が背伸びしすぎたことをしているのであれば、それをしっかりと受け止め、自分のレベルに合ったことをすべきだと感じました。 この4項目を意識することはもちろん、加えて、難易度が高くなければ、いくらノーミスであったとしても点数は伸びません。ここも、決して忘れてはいけないポイントだと思います。 今回の大会で最も高い得点をつけたのは、一般部門は「MUTANT」、オープン部門では「Mythology」でした。特に「Mythology」は、ミスが少ないだけで無く、1つ1つの技の質がとても高く、見ていて余裕をうかがわせるパフォーマンスをしていたと思っています。 自分達の伝えたいものをしっかりと伝えられるパフォーマンスをするために、完成度を高めることは必須です。自分達の姿をもう一度見直して、自分達が伝えたいモノを伝えられるだけのパフォーマンスができていないのであれば、もっと練習するべきです。妥協せず、より完成度の高いパフォーマンスを目指して下さい。 |
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AI【SAFARI】『表現力』 | |
全体を通して、正直、パフォーマンスであるのにもかかわらず、最後までやり切っていない、客席の方を見てないないチームが多かったです。最後までやりきることや客席にアプローチすることは意識すれば変わっていくと思います。 またデモを作る上で、曲もパフォーマンスもひとつのデモとして一貫性のないチームが多く、なにを表現したいのかわりにくかったです。デモを客観視し、曲、衣装、パフォーマンスにおいて、自己満足で終わっていないか、もう一度考えてみて下さい。 自分たちの個性、人間味を出せており、みんなで共有出来ているチームには高い得点をつけました。同じようなチームが続く中で、個性や人間味を衣装や曲に合わせてパフォーマンスをし、なおかつ、一体感をもっているチームは見応えがありました。それに加え、魅せ方にもこだわりがあったと思います。 上位チームとその他のチームの違いはたくさんありますが、パフォーマンスであるということへの意識です。3分間の曲の組み合わせ、衣装ももちろんですが、一秒一秒を大事に全員で目線や表情を合わせたり、縄の動きにこだわったり、ターナー、ジャンパー、またその他の人の動きにもこだわり、統一感のあるものにすることでパフォーマンスの質は見違えるほど変わると思います。そのためには、デモのイメージの共有は必要不可欠です。16点以上をつけた8チームはシーンごとで表情をわけたり、メリハリのある中で、統一感もあり、またチーム内でのイメージも明確で、共有が出来ていたと思います。その中でも私が最高得点をつけたのは「Mythology」です。舞台を本当に端から端まで大きく使っていて、全ての動きが洗練されていました。また他のチームと違うところは縄の中に入った瞬間動きが小さくなるチームが多い中でどんな場面でも全員が全力でやっていたのが印象的でした!一つ一つの動きで守っていない感じからすごく勢いが伝わりました。 JAPANに出るチームは大会ではもっともっとこだわってWESTで敗れた選手の分まで全力で伝えてください。最後までやりきって下さい。応援しています。 |
池田市民文化会館 〒563-0031 大阪府池田市天神1-7-1 TEL:072-761-8811 Google MAP |
原竹 純 【JDDA理事兼事務局長】 ・1999年 NDDL「Holiday Classic」優勝 ・2004年 NDDL「Holiday Classic」優勝 ・DOUBLE DUTCH CONTEST vol,1 優勝 |
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HKR(alttype) ・Double Dutch Delight Japan 2010・2012 GUEST SHOW出演 ・DOUBLE DUTCH CONTEST JAPAN 2013 優勝 ・ギネス世界記録保持者(2本のロープの中で3人が駆足跳びを行いひっかかるまでに何回跳べるか) ・Double Dutch Night vol.4 優勝 ・DOUBLE DUTCH ONE'S FINAL 優勝 |
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タロー(Fat man Crew) ・WORLD JUMP ROPE 2014 Japan Selection 優勝 ・DOUBLE DUTCH CONTEST WORLD 2013 3位 ・Double Dutch Delight WSET 2012 一般部門 優勝 ・DOUBLE DUTCH CONTEST HONG KONG VOL.1 優勝 ・DOUBLE DUTCH CONTEST JAPAN VOL.9 優勝 |
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DAICHI(ME$ER) ・Double Dutch Delight West 2012 一般部門 優勝 Til soul circus ・Double Dutch Delight West & South 2013 GUEST SHOW出演 ・Double Dutch Contest World 2014 GUEST SHOW出演 ・Double Dutch Night vol.8 優勝 左手は添えるだけ ・Double Dutch Night vol.9 優勝 SKARD |
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AI(SAFARI) ・舞鶴大会2012 優勝 ・Double Dutch Delight Japan West 2012 準優勝 ・Double Dutch Selection vol.3 優勝 ・Number One Summer Festa 2013 優勝 ・Double Dutch Delight Japan West/South 2013 Guest Show 出演 |
Nao-Z(alttype) |